ハワイから帰ってきたら平気だったのに、行きの数日はずっと眠かった。ヨーロッパは行きより帰りがつらかった。時差ボケは、同じ時差でも向きによってつらさも治る日数も違うことが知られています。
米国疾病予防管理センター(CDC)の渡航医学ガイド「Yellow Book」の数字を使って、日本から主な行き先へ行くとき、体が現地の時間に合うまでのおおよその日数を計算しました。年末年始の旅行の計画に使ってください。
結論 — 体内時計が合うのは、西向きで1日1.5時間、東向きで1日1時間
CDCのYellow Bookによると、体が新しい時間帯に合っていく速さは平均で、西向きの移動(時計を遅らせる方向)が1日1.5時間、東向きの移動(時計を早める方向)が1日1時間です。
理由は、人の体内時計の周期が平均で24時間より少し長いからです。何もしなくても「毎晩少しずつ寝る時刻が遅くなりたがる」性質があるため、時計を遅らせるほうが楽で、早めるほうが苦手なのです。日本からハワイやアメリカ本土へ行くのは東向き、ヨーロッパへ行くのは西向きです。
行き先別 — 体が合うまでの目安(日本から)
| 行き先(冬時間) | 体内時計の動かし方 | 行きの目安 | 帰りの目安 |
|---|---|---|---|
| ハワイ | 5時間早める(東向き) | 約5日 | 約3〜4日(5時間遅らせる) |
| ロサンゼルス | 7時間早める(東向き) | 約7日 | 約5日(7時間遅らせる) |
| ニューヨーク | 10時間早める、または14時間遅らせる | 約9〜10日 | 約7日(10時間遅らせる) |
| ロンドン | 9時間遅らせる(西向き) | 約6日 | 約9日(9時間早める) |
| パリ | 8時間遅らせる(西向き) | 約5〜6日 | 約8日(8時間早める) |
| バンコク | 2時間遅らせる | 約1〜2日 | 約2日 |
| シドニー(夏時間中) | 2時間早める | 約2日 | 約1〜2日 |
計算は「動かす時間÷1日に合う時間」で出しました。たとえばロンドンは日本より9時間遅いので、9÷1.5=6日。帰りは逆に9時間早めることになるので、9÷1=9日です。ヨーロッパは「帰りのほうがつらい」という感覚は、この計算と一致します。
ニューヨークのように時差が10時間を超えると、体は「早める」か「遅らせる」かのどちらかで合わせることになり、どちらでも9〜10日前後かかります。表は平均から出した目安で、実際の日数は人や過ごし方によって変わります。
出発前にできること — 2〜3日前から1時間ずつずらす
Yellow Bookは、出発前の2〜3日間、寝る時刻を1日1時間ずつ目的地の方向へずらしておくと、現地で合わせるのにかかる時間を短くできる可能性があるとしています。
- 東向き(ハワイ・アメリカ):出発の2〜3日前から、寝る時刻と起きる時刻を1日1時間ずつ早める
- 西向き(ヨーロッパ):出発の2〜3日前から、1日1時間ずつ遅らせる
3日前から始めれば、最大で3時間ぶん先に合わせておけます。ハワイ(5時間)なら、現地に着いてから合わせる時間は2時間ぶんに減る計算です。
移動中・現地でできること
- 機内で眠れなくなることを避ける:Yellow Bookは、移動中の睡眠不足が時差ボケの症状を悪化させるとして、機内ではアルコールを控えるよう勧めています。アルコールは寝つきを早める一方で、眠りを途切れやすくします
- 短い旅行なら、日本の時間のまま過ごす:数日で帰る出張や旅行では、現地に合わせきる前に帰ることになります。Yellow Bookは、合わせられる時間が限られる短い旅行では、自宅の睡眠時間を保つことも選択肢として挙げています
- 光を浴びる時間を意識する:Yellow Bookは、時間を決めて光を浴びることを時差ボケの標準的な対処の1つに挙げています。朝の光は体内時計を早め、夜の光は遅らせる方向に働くので、東向きなら現地の朝、西向きなら現地の夕方に外の光を浴びるのが基本です
帰国後も、体の時計を日本に戻すのに数日かかります。リズムの戻し方は生活リズムを戻すには何日かかる?で、朝の光と体内時計の関係はソーシャルジェットラグとはで解説しています。
よくある質問
時差ボケは東と西、どちらがつらいですか?
ハワイの時差ボケは何日で治りますか?
ヨーロッパ旅行は帰りのほうがつらいのはなぜですか?
2泊3日の海外出張でも時差を合わせたほうがいいですか?
参考:CDC Yellow Book「Jet Lag Disorder」(2026年10月17日に確認)。行き先別の日数は、Yellow Bookの平均的な適応速度(西向き1日1.5時間・東向き1日1時間)からの試算で、個人差があります。